なにがあっても全部ネタだよね。

18歳女子が韓国に留学しながらいろんなものを観察してみる

ひとりずもう。みんなと違うというコンプレックス。

私は中学生の頃、家と学校を除けば市の図書館にいることが最も多かった。小学生の頃はいはゆる本の虫というやつで、友達と遊んでいるくらいなら本を読んでいたい。友達とくだらないことを話している時間なんてもったいなくて過ごしていられないという相当変わった子供だった。そしてそれは中学二年生くらいまで続いた。

 

高校時代、不登校気味になった私の居場所は図書館だけだった。家の中もただただ息苦しい。どうしてみんなと同じことをしなくてはいけないのだろうか。みんなと同じように行動し、みんなと同じように生きようとしない人に送られる視線…生まれつき体のどこかに障害がある人をみるような。かわいそうとは思ってはいけない。でも他の人とは違う…デキナイ人。そこに流れる湿度の高い気持ち悪い空気…その空気が私は中学生の頃から大嫌いだった。

 

小学生の頃から私は変わっていない。周りの子に比べると変な子供。しかし小学生の時からあったはずのあの空気を徐々に気持ち悪いと感じ始めたのは私もその空気に毒され始めたということなのだろう。

 

そこから逃げたくて、そんな気持ち悪い空気は吸いたくもなくて息ができないともがいていた私の中学、高校時代を少し息をしやすくしてくれたのはたった一冊の本だった。

 

 

 

 ちびまる子ちゃんの作者として日本人ならば誰でもその名を聞いたことがあるであろうさくらももこの自伝エッセイ”ひとりずもう”だ。

 

さくらももこが送った中学、高校生時代を書いたもので、若者特有のキラキラした雰囲気はあまりない。たださくらももこが生まれ育った静岡県で送った青春時代がつづられている。海外への留学経験とか、17歳で経験人数三桁とか元AV女優とか「なにそれ気になる!」というような特別な何かはそんなにないのに、ただの日本の田舎での経験がどうしてこんなにも面白く魅力的に詰まっているのだろうか。

 

 

この本を読んでいると私はなんだか安心した。この本は私にとって、”あの気持ち悪い空気”を吸って過呼吸になったときに使う紙袋であり、目がさえて眠れないときに飲む睡眠薬だった。

 

さくらももこが、静岡県の田舎で、胸が大きくなりたくなくてうつ伏せで寝ていたりとか、漫画家にはなれそうにないから落語家になろうとしたけど勇気がなくてなれなかったとか

一見田舎の女子高生なんだけど、普通のことはちょっとずれている感じ。普通とのはざまで悩む感じ。一人でもがいているその感じが私に安心感をくれた。

私と同じく女子校に通っていたさくらももこが、学校祭がめんどくさくてこっそり家に帰ってビートたけしの番組を父とみていたという話があった。

私も学校祭はあまり楽しくなかった。男子が来るとワイワイ騒いでる友、最近流行のポーズでみんなで写真を撮ったりすることを私は楽しいと感じなかった。いまだってそうだ。韓国に留学しているのだから若者の集まる街でかっこいい男の子たちがダンスをしているのを見に行ったり、優しくてイケメンな韓国男子と韓国ドラマのような恋愛をしているのだろうと日本にいる友達には羨ましがられるが、私はそういうものにはとんと興味がない。

 

かっこいい男の子にも、ワイワイ騒いでパーティーやバーベキューをしたりとか、みんなが憧れるようなインスタグラムやフェイスブック映えするようなキラキラしたものに興味がないし、ディズニーランドもそんなに楽しくない。

 

みんなが楽しい、素敵だと称賛するものに惹かれない自分がなんだかコンプレックスだった。だからと言ってみんなに合わせて文化祭の日だけ化粧してみたりとか、ディズニーランドに行って大きな地球の模型の前でインスタ映えするような写真を撮ったりとかそういうことをするのも癪だった。みんなと違う自分に罪悪感を感じつつ、みんなと同じく行動することも馬鹿にしているような感じだったので、そのはざまでぐちゃぐちゃになっていたのが私の高校時代だ。

 

試しに他の人と合わせてみて、ディズニーランドとか若者の集まる町とか行ってみても、楽しいなと感じることもあるんだけど、だんだんと「なんでみんなと同じじゃないことがコンプレックスなんだ?馬鹿馬鹿しい」ともやもやしだしてきて、家に着くと自分に嘘をついた罪悪感とさらに大きくなっているコンプレックス。

 

だから私は人と一緒にいることがあまり好きじゃない。人に合わせなきゃ合わせなきゃとヘラヘラした子をみると”あの時の自分”のことを思い出してすごくイライラする。馬鹿じゃないの??って

 

勝手にイライラされていい迷惑だろう。

 

理解してくれる人がいまだに一人も見つかっていないこの悩みと私は一生お付き合いしていかなくてはならないのだろうか。

 

高校の担任の先生に「君は本当に不器用だよね」と言われたことがある。ちょっとみんなに合わせればよいこと、それがどうしてもできない子なんだと。怒られたわけではない。私もその通りだと思う。だから担任の先生には「君は海外に行った方がいいかもね」と言われて私自身も希望していた韓国に留学しているわけだけど、みんなが楽しいと感じるものを自分は楽しいと思えなくてもやもやしている感じが結局日本にいても韓国にいても変わらない。

 

私はきっとすごく負けず嫌いなんだ。興味がないものはないのだから仕方ない。でも周りに一人でいる子だとか、楽しいことをできない子だとか下に見られるのも嫌だとか。

 

そうやって一人でもがいている感じが、私と同じく一人でもがいているさくらももこの姿と重なって、私はこの本から「大丈夫だよ」というメッセージを勝手に受け取って勝手に安心していた。

 

 

私はこのさくらももこと同じく一生ひとりずもうし続けるのだろう。

 

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