なにがあっても全部ネタだよね。

18歳女子が韓国に留学しながらいろんなものを観察してみる

鼻うがいの効果

私の通っていた中学に鈴木先生という数学の先生がいた。鈴木先生は、ディズニー映画バから始まる某緑色のロボットに驚くほど似ていて、生徒たちにはそのロボットのモデルなのではと噂されるほどであった。

私は鈴木先生があまり好きではなかった。いい先生なのだが、某緑のロボットのモデルと噂されるだけあって顔が濃く、目がぎらぎらしているのだ。目が合うと、私の体力が鈴木先生の目を経由して流れて行ってしまうような気がした。

 

できれば関わりたくなかったのだが、私が一年生の時に少しだけ不登校になってしまい、担任であった鈴木先生が家まで来てしまった。できるならば会いたくない。母に「熱で頭が痛いから玄関までは行けないって言って」と頼んだらその通り先生に伝えてくれた。しかし先生は「それでは僕が部屋まで行きます。」とのこと、しかし私の部屋があまりにも汚いので母が「いいえ、大丈夫です。今朝も下まで歩いてきたんですけどねえ、やはりまだ体が痛いようでロボコップみたいになっていましたよ」と余計なことまで言って断ってくれた。緑のロボットに対して私のことを銀色のロボット呼ばわりされたのは心外だが、銀色のロボット呼ばわりされるくらいで緑のロボットと会わなくて済むなら安いもんだ。

そして自分の部屋が汚いことに心から感謝してその日はまた眠りについた。

 

その後、とある数学の時間、鈴木先生が突然雑談を始めた。基本的に鈴木先生の雑談はつまらないのだが、黙って聞いていると「俺は毎日鼻うがいをしているおかげで十年間風邪をひいていない」ということらしい。ほうほう、たまには有益な情報を教えてくれるじゃないのよ、と家に帰ったらやってみようとしたのだが、結局忘れてやらなかった。次の日、数学の時間になっても鈴木先生がやってこない。どうしたんだろうと思っていたら、他の先生が教室に入ってきた。鈴木先生がインフルエンザにかかったらしい。何のコントなのだろうか。クラス全員大爆笑であった。私はいちおう善良な人間なので、笑うのはひかえようと思ったが、昨日の今日で、しかもよりによってインフルエンザにかかるなんてこんな面白い事そうそうないなと結局腹を抱えて笑った。

先生は四日後にゴホゴホと咳をしながら教室に入ってきた。今目の前で咳をしている先生の姿と、この間の「俺は鼻うがいをしているおかげで十年風邪をひいていない」というセリフが頭の中で同時放送されている。ほうほうこれが十年ぶりにひく風邪ってやつか、と物珍しいような気もしてきた。

私は以前、テレビで鼻うがいの効能を東京の大病院のお偉いお医者さんだかが力説するというような番組を見たことがあったので、鼻うがいが風邪予防にいいというのは信じていたのだが、東京の大病院の医者よりも目の前で起きている事象の方がよっぽど信憑性が高い気がしてきてしまうのだ。鼻うがいに疑いの心を持ち始めたのは恐らく私だけではないだろう。

先生のせいで私たちクラスからの信頼を失った鼻うがい、鼻うがいにしてみれば本当にいい迷惑であろう。